大規模サイト運用業務~安全と安定運用のために~
1. はじめに
ルート・シーでは、web制作・システム開発以外に大規模サイトの運用更新業務を行っております。弊社には、月間PV数400万を超えるwebサイトの更新・公開対応をしている専門部署(以降、運営チーム)が存在します。
今回は、運営チームの管理者Yさん(勤務歴15年以上の大ベテラン)にインタビューを実施しました。大規模サイトを安全に、かつ、安定して運用するための体制などをご紹介します。
2. 運用体制
運営チームは、お客さまからの案件相談を整理する「管理者」と管理者から指示を受けて実際に(画像やテキスト修正の)作業を行う「作業者」のメンバーに分かれています。
管理者は、一日当たり20〜30件の依頼をいただき、サイトの更新や公開対応を処理しています。大規模サイト運用になると、お客さま企業に所属される複数部署の方からそれぞれ異なる依頼があるため、運営チームへ依頼の方法は「ルール」と「ツール」を用いて対応しています。
- ルールとは?
運用に携わるお客さま企業に対してガイドラインを共有し、依頼の仕方や公開までの流れなどのルールを設けて安全な運用ができるように整備しています。 - ツールとは?
弊社開発の「管理ツール」をお客さまと運営チームで共有し、ツール上で案件のご依頼(起票と呼んでいます)をいただく仕組みにしています。この管理ツールでは依頼内容の進行状況が日別に一覧で確認できるようになっているため、作業の遅れや公開漏れがないかを確認することができ、抜け漏れのない安定した運用を実現しています。
※管理ツールの進行状況画面
3. 主な一日の流れ
- 出社時
まずは、管理ツールにログインして、前日から出社までの間に依頼がなかったかなどをチェックします。
緊急を要するものがあれば即座に調整対応を進めていきます。 - 午前中
当日公開の依頼は管理ツール上で午前中に締め切られます。
管理者は、当日公開対応のものを優先してチェックし作業者に指示を出します。依頼内容の中に、運営チームで対応できないものや作業内容が不明瞭なものがある場合は、1件1件に対して管理者からお客さまに差し戻しやヒアリングを実施します。
※認識の齟齬があるままで案件を進めて事故を起こさないようにしています。 - 午後
管理者は、依頼内容を元に作業者がテストアップしたものを確認し、問題なければ管理ツールからお客さまにテストアップのご案内をします。
お客さまの確認完了の連絡を受けて公開業務を実施します。 - 夕方
管理ツールで、公開予定のものがすべて公開になっているか、また、翌日の0時にタイマー公開するものが設定されているかを確認します。
公開漏れがないことを確認したうえで、当日公開した案件をまとめてお客さまにメールにてご報告し本日の業務を終了する旨を案内します。 - 終礼
管理者同士で、相互に案件対応の漏れがないかを確認します。
管理ツールに起票されているものについて翌日以降の作業手順を確認します。
運営チームでは、上記のサイト運用以外にも「サイトのアクセス数の抽出」「お客さまから納品いただいたデータのチェック」「サイト内のリンク切れチェック」などを実施しています。
※Google アナリティクス 360 は Google LLC の商標であり、本稿はいかなる形でも Google によって承認されたり、Google と提携したりするものではありません。
4. 運用スキルと管理ツール
運営チームの「運用スキル」と「管理ツール」が合わさることで、日々の業務を安全に安定して行うことができています。業務を進める中でポイントとしていることを聞いていますので紹介します。
- 誤字脱字チェック
ブラウザツールなどを用いることもありますが、管理者の目視チェックも行います。様々な視点のチェックを用いて、誤字脱字を防いでいます。 - 公開時間を厳守
案件によっては公開時間の厳守を要求されることがあります。その時は管理ツールで各案件の進行状況を確認し、状況に応じて管理者が優先順位の確認や作業分担をするなどして公開時間に間に合うように調整対応しています。 - 過去案件状況の確認
管理ツールには、過去の依頼内容を検索して表示することができる機能が備わっています。同じ時期の過去と現在の依頼を比較し、依頼漏れや更新漏れがないかを意識しています。例えば、昨年はページとバナーの更新を行っていたのに対し、今年の依頼にはページのみの更新依頼となっていた場合、管理者からご案内し、更新漏れを防いでいます。
ほかにも、同じページに対して別々のお客さまからご依頼いただくことを調整するなど管理者が安全にサイトを運用するためのポイントがございますが、今回のご紹介はここまでにさせていただきます。
5. さいごに
運営チーム管理者のYさんに業務内容を聞いてきましたが、案件に応じてカスタマイズされた管理ツールの存在と運営チームの運営スキルがあって、毎日事故を起こすことなく多くの案件に答えられていることを再確認しました。 また、機械的にサイトを運用しているわけではなく、管理者が15年以上同じお客さまを担当して培ってきた知識を元に、更新箇所などを提案してより良いサイト運用を心がけています。
運営チームでは、運用保守案件を承っていますので、是非ご相談ください。