【webサイト制作・webシステム開発 虎の巻】 Vol.5「明確なターゲットユーザー設定がwebサイトの成果を決める」
みなさんこんにちは。
大阪webソリューション事業部プランニング部・部長の近藤です。
このコーナーでは、社内のweb担当者のアナタがwebサイトをリニューアルする際に「何からどう始めれば良いんだい?」という時に役に立つ情報をお届けします!
第五回目は、「明確なターゲットユーザー設定がwebサイトの成果を決める」と題して、「ルート・シーはこうやっている!webサイトのターゲット設定の仕方」を解説します。
そのサイトは一体誰に向けたものなのか。
webサイト制作プロジェクトの成否を左右すると言っても過言ではない「ターゲット設定」。
今回はルート・シーが行うwebサイトリニューアル・プロジェクトでのターゲット設定の仕方を解説します。
メンバー間で目標や目的がブレることありませんか?
webサイトを作る時、リニューアルする目的や目標があるかと思いますが、長い制作期間の中で「作ること」「リニューアルすること」が目標や目的にすり替わることがあります。
その理由の一つに、制作期間が進んでいくうちに関係者間で目標や目的がブレて「当初の目標や目的がぼやけること」があります。
やはり人が行うこと、それも複数名が関わることなので、時間が経過するごとに記憶が曖昧になったりメンバー間で「あれなんだっけ?」とならない「方法」でカバーしていくことが大切になります。
ターゲットを設定してメンバー間で共有する方法
複数のメンバーが関わりwebサイトのリニューアルを進めていくには、目標や目的がブレないように、webサイトを利用するターゲットユーザー像を設定することが大切になります。
実際にルート・シーがターゲットユーザーを設定する際に行っていることは次の3つです。
- ペルソナ(具体的ユーザー像)の設定
- 行動シナリオの設定
- カスタマージャーニーマップ(行動に至るまでの流れ)の設定
1つずつ解説します。
1.ペルソナ(具体的ユーザー像)の設定
ペルソナ(persona)とは、「企業が提供するサービスや商品の受け取り手となる顧客像」のことです。
ペルソナは、性別、年齢、居住地、職業、年収、家族構成、身体的特徴、価値観、ライフスタイルなどを設定したもので、これらのデータは、
- 実際にユーザーテストを行い、そこから得たデータ
- 既に製品・サービスを利用しているユーザー数名にインタビューを実施し、そこから得たデータ
- 想定するユーザーに近い社員を利用者・消費者としてインタビューを実施し、そこから得たデータ
からペルソナを作成します。
費用や時間は要しますがきちんとペルソナを作成する場合は1.の方法で行い、2、3になるほど、データは甘くなりますが、手軽にペルソナを作成することができます。
ユーザーが利用する道具やサービスは時代とともに変化しますが、ユーザー自身のペルソナはすぐに変化するものではないため、ペルソナの利用期間を鑑みて1の方法できちんとペルソナを作成するお客さまも増えています。そのペルソナはお客さまの資産になるからです。
ペルソナ作成時の注意点は、目の前のサービスや製品のことは一度横に置いておくことです。
あくまでも対象とするユーザー像を明確にし、長いプロジェクト期間中、メンバー間でペルソナを何度も見返し、自分たちが行っているプロジェクトの目標や目的をブレさせずに「ユーザーのために」と思い返せるようにすることに意味があります。
ペルソナがあることで、関係者全員が認識を統一することができ、一貫性のあるコミュニケーションをとることができます。
2.行動シナリオ
次に行動シナリオです。
行動シナリオとは、ペルソナがサービスや製品を知るきっかけから、体験前、体験中、体験後における一連の行動を可視化したシナリオのことです。
行動シナリオによりユーザーの行動を可視化し、御社とユーザーとの顧客接点を洗い出せるので、関係者間の認識を統一することができます。
ペルソナで定義したユーザーが御社のwebサイトを使ってみようと思ったところから、
- 実際にwebサイトにアクセスして必要な情報収集を行ったり
- 他のwebサイトや媒体などで比較検討を行ったり
- そしてまた繰り返しwebサイトに戻ってくる
さらには、実際に御社の営業スタッフなどとやりとりを行い、御社の顧客となるまでの購買期間の中で、
- 情報やサービス
- 製品
- お問い合わせ
など、オフライン/オンラインを横断したユーザーの行動を可視化します。
3.カスタマージャーニーマップ
ペルソナで定義したユーザーが、
- どのようにwebサイトを利用するのか?
- 必要なコンテンツはどのようなものか?
を考えるために利用するのがカスタマージャーニーマップです。
定義した下記の流れの中で、
- ユーザーのwebサイト利用前(認知・流入)
- ユーザーのwebサイト利用中(情報収集)
- ユーザーのwebサイト利用後(体験)
- ユーザーの目的達成(ファン化・購入)
どういったニーズ、行動が考えられるか、その時々のユーザーの感情から必要なコンテンツを洗い出す方法です。
webサイトは情報収集や比較検討の場面で重要なタッチポイントとなります。カスタマージャーニーマップでユーザーのその前後の行動や感情までも想定して認識を統一することで、webサイトに必要なコンテンツについて関係者間でより理解を深め合うことができます。
まとめ
おさらいです。
ペルソナ
ユーザー像を明確にしてプロジェクト期間中いつでも関係者全員で確認できるようにするため
行動シナリオ
ペルソナで定義したユーザーがwebサイトの利用前・利用中・利用後・再訪の中でどのような行動を起こしどのような接触点を辿り得るかを関係者全員で確認できるようにするため
カスタマージャーニーマップ
行動シナリオで定義した接触点を明確にしたうえで、各接触点で必要なコンテンツを検討し、ユーザーとお客さま自身の目的達成に向けた取り組みを関係者全員で確認できるようにするため
限りあるプロジェクト予算や期限を無駄にしないためにも、ペルソナでユーザー像を、行動シナリオでユーザーの接触点を、そしてカスタマージャーニーマップで、接触点ごとに必要なコンテンツを過不足なく洗い出し、ターゲットユーザーに応え、効果に繋がるwebサイトを作るために必要な方法です。
ターゲット設定を行うために、ペルソナ、行動シナリオ、カスタマージャーニーマップを作成するメリットは以下のとおりです。
- メリット
- 1.ユーザー視点で議論や意思決定ができるようになる
- 開発やサービスの構築、接客フローの⾒直しを⾏う際、ペルソナを通して思考することで「自社にとってどうか」という視点から、「顧客にとってどうか」という視点に焦点が当たるようになります。
制作サイドの好みや都合ではなく、ユーザー目線で、ユーザーの気持ちに沿った視点となりますから、より市場のニーズにマッチした判断ができるようになります。
- メリット
- 2.メンバー間での認識のズレを防ぎ、業務を効率化する
- 業務に携わるメンバー全員がユーザー像をすり合わせるのは非常に難しいものです。
例えば「都内在住の30代未婚⼥性」と設定しても、メンバーが個々にターゲットのライフスタイルや考え方を想像していては必ずズレが生じます。
そこでペルソナを設定することで、メンバー間で「共通したユーザー像」を共有することができ、迷ったり悩んだりしたときにも共通の軸で判断することができます。開発やプロジェクトの方針も明確化され、バラバラで収拾のつかなかった意⾒の方向性を絞ることができますから、時間やコストカットにも繋がります。
いかがですか?今回の記事からターゲットを設定する重要性をご理解いただけましたでしょうか?
ぜひ、webサイトはもちろん、コンテンツの作成時や施策を打つ際は、プロジェクトメンバー間でターゲット設定を実施してみてください。
ルート・シーにご相談ください
ルート・シーでは今回の記事で解説したターゲットユーザーを設定する手法で御社のwebサイトやそこに置くコンテンツをよりよくすることが可能です。
弊社がしっかりサポートしますので
- 「自社が考えているターゲットわからない」
- 「webサイトの制作で社内で意見が割れてしまった」
といったお悩みを抱えているなら、ぜひご相談・お問い合わせください。