【webサイト制作・webシステム開発 虎の巻】 Vol.3「やることをしっかり認識!”要件定義”」
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みなさんこんにちは。
大阪webソリューション事業部プランニング部・部長の近藤です。
このコーナーでは、社内のweb担当者のアナタがwebサイトをリニューアルする際に「何からどう始めれば良いんだい?」という時に役に立つ情報をお届けします!
第三回目は、「やることをしっかり認識!”要件定義”」です。
「要件定義」とは「要件=必要な条件」を「定義=言葉で明確に限定すること」。つまり、「必要な条件を明確にしましょう」ということです。
明確にした要件は「要件定義書」として文書化し、その後のフェーズでも常にプロジェクトの道しるべとして活用します。
要件定義でしっかりと情報の共有
要件定義の大事な目的のひとつとして、「発注側と制作側の認識を合わせる」ことがいえます。
プロジェクトにおいて、発注者側の叶えたい要望を「誰に対して」「何の目的で」「どのように」「だれが」「何をもって」「いつまでに」実現するのか。発注側、制作側双方でしっかりと情報を共有し、ドキュメント化までをきちんとすることで、認識のズレを防ぐことができます。
要件定義で決めること
では、webサイトの要件定義は具体的にどのような内容を定義する必要があるのでしょうか。
ルート・シーでは一例として、下記のような項目を定義しています。
- サイトの目的とゴール(KPI、KGIなど)
- 現状の課題(体制などの内部要因、競合・市場など外部要因)
- ターゲットの属性・嗜好性から導き出したペルソナ
- サイトデザイン(トーン&マナー、フォント種類など)
- クリエイティブ(ベンチマークサイト、コンテンツマップ、主要注力コンテンツなど)
- 制作要件(ドメイン、サーバ、ファイル形式、CMS、素材調達、検証端末種別など)
- ドキュメント類(マニュアル、デザインガイドライン、コーディングガイドラインなど)
コンセプトやデザインの方向性、コンテンツの概要、サイト構成などの表現の部分だけでなく、写真やテキストなどの原稿の調達方法について、さらに、サーバやドメインの情報とその準備・管理方法、開発言語、CMSの種類・制作体制などのシステム・インフラ部分まで、webサイト制作にかかる全方位の要件を決めていきます。
プロジェクトが起案された後、制作会社に概算見積もりを依頼する際にある程度サイトの納期やおよその内容は洗い出されていることがほとんどかと思いますが、要件定義ではそれらをさらに深堀りし、プロジェクトで行うことを細かく決めていくことになります。
要件定義を怠ると・・・
これまでのプロジェクトで「素材は制作会社が用意してくれると思っていた」「ドメインの取得作業を忘れていた」「作業を依頼したいが見積もりに含まれているのかいないのかあやふや」といったことはないでしょうか。
要件定義を怠ると、業務分掌・必要な作業量が曖昧になり、作業のヌケ・モレが発生してしまい、スケジュールの遅延や見積もりのやり直しといったことに繋がります。
そうならないためにも、要件定義はしっかり行う必要があります。
要件定義のメリット
- どのタスクを誰が行うのかの業務分掌が明確になり、作業ヌケが防げる
- インフラ部分など発注側に見えづらい部分もしっかり見える化できる
- ターゲットを再認識することでより良いコンテンツ設計が可能
- 予算に応じてサイトボリュームや機能要件の見直しがしやすい
- ドキュメント化しておくことで次回のリニューアルの際にも振り返りの資料として参考にできる
サイトのターゲット、KGI、KPIを明確に設定することで、制作途中のコンテンツやデザインの議論の際に立ち返ることができます。議論のブレを未然に防ぐことで制作クオリティを担保した進行がしやすくなります。
また、リリース後の運用についても要件定義時のKGI、KPIを目安として計画を立てやすくなるというメリットがあります。
要件定義を怠ると発注者・制作者含めたプロジェクトメンバー間の意思疎通も曖昧になり、全体のモチベーションの低下を招き、品質の低下の原因にもなりかねません。必ず実施するようにしましょう。
要件定義に必要な期間
要件定義フェーズはどれくらいの期間をとればよいでしょうか。
上記のように、要件定義後の確定見積りまでを要件定義フェーズとして扱います。
ルート・シーでは、20〜30ページクラスの小規模のコーポレートサイトで1ヶ月程度。
コンテンツ提案なども含めて行う場合は1.5〜2ヶ月、システム開発要件も加わる場合は3ヶ月ほどかかる場合もあります。
要件定義が完了するといよいよ制作フェーズに進みます。
要件定義や制作のスケジュールは納品日(公開日)からの逆算で決めることも多いため、公開日が決まっている場合はできる限り早めにプロジェクトを始動しましょう。
要件定義の期間を十分確保し、「実現したいことのイメージ」を明確にできるかどうかがその後の進行や精度に関わります。
まとめ
- 要件定義とは、webサイトに必要な機能やサイト制作全体の方針を決めること
- 要件定義をしっかりと行うことで、KGI・KPIや、やること・やらないことが決まり、プロジェクトメンバー間で共通認識を持つことができます
- 要件定義書の項目を埋める作業にならないよう、ターゲットに必要なコンテンツ・仕様を決めることを意識する
- スケジュールは圧迫されがち。要件定義前に「実現したいこと」をしっかりとイメージしてプロジェクトの立ち上げを行う
プロジェクト初期の段階で、要件定義をしっかり行うと、プロジェクト全体の課題が見え、プロジェクト体制の拡充、縮小など安全かつ効率的に進めることが可能になります。
ルート・シーにご相談ください
これからwebサイトのリニューアルや改修などのプロジェクト立ち上げをお考えのweb担当者さま!
ルート・シーでは要件定義フェーズのみのご相談もお受けしております。半年後、一年後リリース予定などまだ立ち上げ前のプロジェクトでも弊社営業とプランナー、ディレクターがしっかりサポートいたしますので、ぜひお問い合わせください。
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