大規模サイト運用でも安心 新たにページを制作する工程の全容

大規模サイト制作運用

1. はじめに

ルート・シーでは、月間PV数400万を超えるwebサイトの運用・更新業務を行っています。運用内では、キャンペーンページや商品ページの新規制作が毎月10本ほどあり、本記事ではこれらの制作のご依頼を受けてから毎月どのように進行し公開しているかをご紹介します!!

2. 案件相談

日々お客さまからメールやセキュアなコミュニケーションツールなどで、ルート・シー担当営業が案件相談を受けています。主に「予算」「制作規模」「希望公開日」「制作リソース」を確認し受け入れ体制を調整します。

作業者ごとの制作リソース管理シート(一部抜粋)

ご依頼内容は、チラシやパンフレットのデータを元にwebページを制作するものや、前年度に対応・作成したキャンペーンページを今年度用にリデザインして制作するなど、ある程度のパターンがあります。
ご相談内容にもよりますが、受注後2、3週間から1か月程で納品することが多く、あらかじめ決められた制作工程に沿って進めていきます。

3. 制作開始

受注後ディレクターにて下記、1~5の工程で制作の準備を進めていきます。

制作規模が大きい場合は、お客さまと調整するためのクライアント・ディレクター、社内制作チームと調整するためのインサイド・ディレクターの2名を立てることがあります。その場合、進行部分も役割分担するなど、円滑に漏れなく進められるよう、調整しています。

1. 制作スケジュールの用意

スケジュールは、日付や進捗状況を自動化した、決められたフォーマットで作成・運用しています。案件個別に登録したものがチーム全体のスケジュールに反映される仕組みにしています。これにより、お客さまへ個別スケジュールを共有できるとともに、社内ではチーム全体の案件進捗も管理できるようになっています。

個別スケジュール

全体スケジュール

2. 制作環境の用意

制作チームと連携するために、タスク管理ツールを用いて案件個別のタスク票を用意します。
タスク票は、あらかじめ決められたテンプレートを元に起票しています。
テンプレートには「案件概要」「公開希望日」「制作点数」「素材やデザインデータの共有フォルダのURL※1」「見積」「タスクチェックシート※2」を入力することで、抜け漏れがないようにしています。

※1. 素材やデザインデータの共有フォルダのURL

共有フォルダはクラウドサービスを使用しています。クラウドサービスで案件データを共有することで過去案件の振り返りもしやすく、イレギュラーで担当者の変更があったとしても問題なく案件を進めることができます。

※2. タスクチェックシート

準備

■インサイド・ディレクター

  • 構成案作成
  • スケジュール作成
  • タスク管理ツールで課題の作成
  • ダブルチェックの登録
  • 本番機データの取り寄せ
  • 顧客管理ツールの入力
  • 連絡ツールのチャンネル作成
  • アサイン依頼
  • gitのブランチ作成
  • 見積り作成及び送付(営業確認)

■クライアント・ディレクター

  • お客様とのやり取り
  • インサイド・ディレクターから上がってきたものの確認
テストアップ

■インサイド・ディレクター

  • 社内テストアップ確認
  • ダブルチェックの依頼
  • チェックバック修正依頼

■クライアント・ディレクター

  • お客様にテストアップ
  • インサイド・ディレクターにテストアップした旨を連絡
納品

■インサイド・ディレクター

  • 制作陣へ納品データの纏め依頼
  • 納品データの確認
  • クローズ作業

■クライアント・ディレクター

  • 納品データをお客様に送付
  • インサイド・ディレクターに送付の連絡
  • 納品データの確認

校正ツールや、制作データのバージョン管理ツールの用意、必要に応じて本番サーバーにアップされている「サイトデータ」のダウンロードなどを行います。

3. 校正班チームへの確認依頼

校正チームの予定を確認して案件情報を連携。誤字脱字や文法の誤りのチェック、文書レベルでの調整指摘を校正チームからフィードバックしてもらい、制作物のクオリティを高めています。短い納期の案件であっても校正チームが機能することでミスを未然に防ぎ、安全に公開することができています。

4. 構成案の用意

事前にお客さまからいただくこともありますが、基本的にはディレクターが用意しています。お客さまも修正や書き込みができるようなフォーマットで構成案を作成しています。(案件によってはデザインツールでの提出もあります。)

5. Kickoffミーティングの実施(社内)

制作チームにスケジュールや制作内容を共有して、不明点やお客さまに聞くべき内容などを確認していきます。

4. 制作中

案件進行中、大量に届く案件のメールやタスク管理ツールの通知を見逃さないために、コミュニケーションツールと連動させて各ディレクターが気づきやすい環境を用意しています。また、制作の規模が大きくなる場合は制作チームとの定期的な会議を設け、進捗状況や課題を共有し問題や課題の早期解決に繋げています。

お客さまからの修正指示について手書きの資料でご連絡いただくことがあるため、ツールなどを用いて文字起こしを行い制作チームと連携しています。 内容が曖昧な場合、ディレクターからの意見や提案などを盛り込み、明確なものに調整したうえで修正対応を進めています。

指示内容を反映し終えた公開直前のタイミングや前工程で確認すべき箇所で、お客さまから再度ご指示をいただいた場合などは、作業調整の難易度と必要な修正かどうかを確認し、対応する優先順位をつけさせていただくことがあります。その場合、公開後に追加修正の対応が発生することがあります。

5. 公開前対応

公開前には納品物のチェックを行っています。
詳細なチェックリストを作成し納品物の漏れを防ぎます。また、チェックツールなどを使用して納品物チェックの効率化を図っています。

納品物のチェックと併せて、お客さまに念のため公開日・公開時間の再確認をしています。
大規模サイトはステークホルダーが多岐に渡るため、お客さまの許可がない限り公開できないよう承認フローを仕組化しています。

6. 公開しても油断しない!!

公開した後も、実際にGoogleアナリティクスが正常に計測できているかなどの確認があります。また、案件にもよりますが公開期間が指定されているページ(キャンペーンページなど)は期間が過ぎた時の処理などをお客さまと事前調整しておく必要があります。
また、公開後はタスク管理ツールなど制作準備で用意したものをアーカイブ化して、次回同様の案件の制作依頼をいただいた際に振り返りができるようにします。

本件のような案件をディレクター1名につき毎月複数件担当し、今後の新規ページ制作運用に活かすために社内共有をして振り返りを行っています。CMSなどのシステムの導入ができない大規模サイトでは、毎月毎月お客さまと真剣に向き合って公開ギリギリまで調整して案件対応をしています。

7. さいごに

今回ご紹介させていただきました制作進行の流れにつきましては、ルート・シーのお客さまwebサイト運用での一事例となります。ご依頼いただく際は、お客さまの環境に合わせて柔軟に対応いたします。

中にはあたり前のことと思われる部分があったかもしれませんが、納品スピードを上げるためにも今回ご紹介した方法で、安全安心な運用を心がけています。何か参考になるものがありましたら幸いです。

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