CMSの選び方とは?種類と選定ポイントを解説!
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こんにちは。ルート・シーwebディレクターの森山です。
CMSには多種多様なものがあります。CMSで何を管理したいのか、その目的によって選ぶべきCMSも変わってきます。記事ではCMSの種類と最適なCMSの選び方について説明します。
なぜCMSを利用するのか
そもそもCMSを利用する理由は何でしょうか。主な理由は、自社サイトのwebページ内に更新したい箇所があり、かつHTMLなどのweb制作知識に詳しくない者であっても簡単にページの更新作業ができるようにしたいからです。もしページ内に更新する箇所が全くない、またはweb制作知識に詳しい者が居るのであれば、CMSでサイト構築をする必要性は低くなるでしょう。
CMSの選定は慎重に
CMSはサイト全体に関わる基幹システムですので、サイト公開後の運用段階はもちろん、新規サイトの制作途中においても、簡単に変更することができません。仮にCMSの変更を余儀なくされた場合は、別のCMSで一からサイトを構築するのと同じくらいの負荷が掛かります。そのため、CMSの選定はサイト制作前の「構想・設計」の段階から慎重に検討を行う必要があります。
CMSの種類
CMSの種類を大別すると、無料で利用できるWordPressや有料で利用できるMovable Typeなどがあります。無料で利用できるCMSはそのほとんどがオープンソースで作られています。オープンソースとはCMSのプログラムが公開された状態のことで、プログラムの修正やバージョンアップなどは有志によって行われる形です。一方、有料のCMSは開発元の会社があり、その会社が販売、もしくはサービスを提供しているCMSになります。
参考までに、以下の表は日本国内の上場企業約3,700社が利用していると推測されるCMSです。
CMS名 | 費用 | 導入企業数 |
---|---|---|
WordPress | 無料 | 3110 |
ShareWith | 有料 | 155 |
Movable Type | 有料 | 129 |
Drupal | 無料 | 104 |
Blue Monkey | 有料 | 69 |
HeartCore | 有料 | 59 |
TYPO3 | 無料 | 55 |
DotNetNuke | 無料 | 49 |
NOREN | 有料 | 46 |
はてなブログMedia | 有料 | 42 |
WordPress.com | 有料 | 40 |
Adobe Experience Manager | 有料 | 33 |
SITE PUBLIS | 有料 | 33 |
infoCMS | 有料 | 29 |
SITEMANAGE | 有料 | 28 |
a-blog cms | 有料 | 23 |
concrete5 | 無料 | 22 |
RCMS | 有料 | 22 |
Vibit CMS | 有料 | 21 |
BiND | 有料 | 20 |
Site Miraiz | 有料 | 20 |
baserCMS | 無料 | 16 |
ferret One | 有料 | 16 |
MODX | 無料 | 16 |
Jimdo | 有料 | 15 |
Clipkit | 有料 | 11 |
bingo!CMS | 有料 | 9 |
Contentful | 有料 | 9 |
Joomla! | 有料 | 7 |
引用)DataSign Report 上場企業 CMS調査 2021年8月版 より
※Joomla!以下は割愛
※無料と有料の両方のプランがある場合は「有料」と記載しています
CMSにはメジャーなものからマイナーなものまで多種多様なものがあり、それぞれ特徴や用途・向き不向きがあります。ここでは比較的メジャーなものを中心にいくつかご紹介いたします。
WordPress
WordPress(ワードプレス)はCMSシェア率60%を超える世界中で最も利用者の多い無料のCMSです。この高いシェア率がWordPressを利用する際の大きなメリットです。利用者が多いためネット上の情報量も多く、困った際にもググればたいてい簡単に答えが見つかります。どのweb制作会社でもWordPressは扱えるものですが、反対にWordPress以外のCMSは情報量も対応可能なweb制作会社も少なくはなるでしょう。
WordPressはプラグインと呼ばれる特定の機能追加のためのプログラムの数や種類が豊富で、その多くが無料で導入可能です。この豊富なプラグインのお陰でシステム開発の工数を省くことができ、低コストで機能実装が可能になる場合が少なくありません。一例として、WooCommerceやWelcartのようなECサイト用のプラグインを導入することでECサイトとしても構築可能になるほど、WordPressには柔軟性があります。
- 用途例
- コーポレートサイト/ニュースサイト/ECサイト/ブログなど
- 開発言語
- PHP
- WordPress公式サイト
Movable Type
Movable Type(ムーバブルタイプ)は、シックス・アパート株式会社が販売する国産の有料CMSです。日本では過去1、2を争うシェア率でしたが、近年ではシェア率は低くなっています。Movable Type は、1ライセンス(ver7の場合)あたり通常99,000円(税込) の買い切り型で利用可能で、ライセンス購入から1年間は無料で公式サポートが受けられます。(ただし、以降の公式サポートは有料になります。また別途開発環境を用意する場合は計2ライセンス必要になります。)サーバに自らインストールして使用する通常のMovable Type以外にも、サーバ利用料込みのクラウド版(月額5,000円~)があります。
Movable Typeの最大のメリットは静的CMS(※)であるという点です。静的CMSでは、ページの公開時や更新時にHTMLファイルが都度生成されるため、WordPressをはじめとする動的CMSに比べてページの表示速度が高速です。また、仮にページへのアクセスが集中した場合でも、HTML(とその関連ファイル)とのやり取りのみで済むため、サーバへの負荷も軽減されます。加えて、データベースへの接続が最小限になるためセキュリティ性も高くなります。1つのMovable Typeで複数のサイトを管理できる機能を備えていることも特長です。※動的CMSとしても動作可能です。また、クラウド版の場合は完全動的CMSです。
デメリットとしては、WordPressに比べると圧倒的にプラグインの数が少なく、仮に目的のプラグインがあったとしても有料のものが多いため手軽に機能追加ができないこと、加えて、ページ数が膨大になると管理画面側の操作が重くなる傾向が挙げられます。
- 用途例
- コーポレートサイト/大学サイト/イントラサイト/ブログなど
- 開発言語
- Perl,PHP, MTML(MT独自タグ)
- Movable Type公式
Drupal
Drupal(ドゥルーパル)は、オープンソースの無料CMS としてはWordPressに次いで人気です。多言語対応機能や会員ユーザー制、承認ワークフロー機能が標準で備わっており、拡張性の高さから大規模なサイト構築に向いています。優れたコンテンツ管理も特徴です。例えばアパレル関係のサイトで、サイズ・色・素材などで説明文をあらかじめ定義しておき、各商品ページに共通の説明文として表示させるなど、コンテンツの再利用が容易かつ効率的です。WordPressの場合は、柔軟性に富むとはいえブログ管理のためのCMSとして発展してきた歴史がありますが、Drupalはそれとは異なりwebコンテンツの汎用的管理システムに特色があります。
Drupalシステムには、コアモジュールと呼ばれるプログラムの基本部分とは別に拡張モジュールがあります。これはWordPressで言うところのプラグインに相当します。拡張モジュールは数万件もの登録があるため、豊富な拡張モジュールの中から低コストで機能実装が可能になる場合も多くあります。
- 用途例
- 公共機関サイト/教育機関サイト/グローバルサイト/ポータルサイトなど
- 開発言語
- PHP,Twig
- Drupal公式サイト
EC-CUBE
EC-CUBEは、株式会社イーシーキューブが開発するECサイトの制作に特化した国産の無料CMSです。ショッピングカート、商品登録、会員制(マイページ)、決済機能など、ECサイトの運営に必須の機能が一通りそろっており、さらに必要な場合には有料・無料のプラグインを導入することで容易に機能追加が可能です。例えば、商品レビューやクーポン割引などは無料で実装可能、さらに10万円~20万円程度の有料デザインテンプレートを購入すれば、初期デザイン以外のデザインに手軽に変更が可能です。
※注意点として、EC-CUBEはGPLライセンスのため無料で利用できますが、再配布などGPLライセンス外のことを行う場合は、別途264,000円の商用ライセンス料が掛かります。
その他、月額の費用は掛かりますがクラウド版があります。クラウド版ならサーバ管理やセキュリティ対策、アップデートなどの手間が掛かりませんが、BASEやSTORES、Shopify、カラーミーショップなど他のASP(Application Service Provider)系のECとの競合分野になるため、それらとの比較の中でどのシステムを利用するかを検討することになります。それでもあえてインストール版EC-CUBEを利用する最大のメリットは、「カスタマイズ性の高さ」ということになるでしょう。
- 用途例
- ECサイト
- 開発言語
- PHP,Twig
- EC-CUBE公式サイト
CMSの選び方
先に紹介したような多種多様なCMSの中から、どのような判断基準でCMSを選べば良いでのしょうか。考えられる選び方のポイントを下記に挙げてみました。
どのような目的のサイトか
一般的なコーポレートサイトであれば大抵どのCMSでも対応可能です。ECサイトの場合にはASP系のECシステムを含めて検討しましょう。月額料金や従量料金が掛かるものの、新規サイト制作の初期費用は断然安く抑えられます。
サイト規模(総ページ数)はどの程度か
小規模のサイトであれば大抵どのCMSでも対応可能ですが、中~大規模になるとコンテンツ管理の効率性や目的となる機能が搭載されているかどうか、拡張性の高さなどがより重要になります。中~大規模なサイトには、「Drupal」「NOREN」「Sitecore」「Adobe Experience Manager」などが向いているとされます。
無料CMSか有料CMSか
WordPressなどオープンソース型CMSは基本的に無料で利用できます。(ただし、プラグインの中には有料のものもあります。)「予算の都合上、無料のCMSを利用する」という判断もあり得ますが、CMSの使い勝手や将来性の観点から有料CMSを含めたご検討をおすすめします。
有料CMSでも良い場合、初期費用や月額費用をどこまでかけられるか
有料CMSには、CMS導入の際に掛かる初期費用と毎月掛かる月額費用があります。Movable Typeのように初期費用(ライセンス購入)のみで済む場合もありますが、多くの場合は月額料金を支払い利用継続することになります。プランにより異なりますが、初期費用として数十万円~、月額費用として数千円~数十万円となることが多いようです。
CMS開発(販売)元の公式サポートが必要か不要か
公式サポートが必要な場合は有料のCMSの中から選ぶことになるでしょう。ただし、どこまでの範囲をサポートしてくれるかは開発(販売)元の対応方針によりますので、対応範囲・電話応対の有無・営業時間等、事前に確認しておくのが無難です。
CMSの標準機能は充実しているか
どのCMSも独自のカスタマイズを加えたりプラグインを導入したりすれば、目的とする機能実装は不可能ではないでしょう。実際、あるCMSにおける標準機能が別のCMSではプラグインを導入することで簡単に実装できることがあります。ただ、動作の安定性や他のプログラムとの相性、また今後のアップデート保証など長期的な信頼性に欠ける場合があることから、CMSに目的とする機能が標準化されているかどうかもCMS選定のポイントになります。
CMSのシェア率による情報量の差
シェア率が高いCMSほど情報量が多くなるため知りたい情報が得られやすく、シェア率が低いCMSほど自力で問題解決しなければならない場面が多くなるでしょう。この傾向は特に無料のCMSで顕著になります。有料のCMSには公式サポートがあるためです。
他方、海外でシェア率が高いCMSの場合でも日本におけるシェア率が低ければ、英語での情報量は多いものの日本語での情報量は少なくなるため、情報を活かし切れない場合が出てくるでしょう。
カスタマイズ性はどの程度必要か
無料のオープンソース型CMSであれば概ね自由にカスタマイズが可能です。比較して有料のCMSはカスタマイズ性が低く、中には目的とする機能実装やページデザインが不可能な場合もあります。サイトでどのようなことを実現したいかによって選ぶべきCMSは大きく異なりますが、自社専用のシステム等、完全なカスタマイズ性が確保されている中で開発する必要がある場合は、一般に販売・配布されているようなCMSを利用せず、フルスクラッチ(全て自作)でゼロからCMSを作るという選択肢もあります。その場合には、仕様設計の検討をはじめとして管理画面側の開発も必要になってくるため、開発費用が高額になることが想定されます。
プラグイン等による機能追加が可能か
プラグイン(拡張モジュール)による機能追加が簡単にできるかどうかは、機能実装に掛かる費用や日数を省くことに直結するため、制作予算やスケジュール上も重要な意味を持ちます。一般的にシェア率が高いCMSは有償・無償のものが積極的に開発されていますが、シェア率が低いCMSはそれに比べるとプラグイン数は少なくなります。プラグインの数や品質・使いやすさは、CMSを選ぶ際の判断基準の1つになるでしょう。
サーバ管理やセキュリティ対策を自社対応するか、業者に任せたいか
無料のCMSの場合には、基本的にサーバ管理やセキュリティ対策は全て自社で行う必要があります。自社で行うことが難しい場合には、保守契約のような形で業者に管理を任せることも、よく行われる運用方法です。一方、有料のCMSの中でもクラウド版の月額サービスを利用する場合には、サーバ管理をはじめ、セキュリティ対策、CMSのアップデート対応などもそのサービス中に含まれるため、それらを自社で管理する手間を省くことが可能です。それにより、サイト運用に集中できるというメリットがあります。
お問い合わせ
各種CMSの特長などを説明しましたが、最適なCMSを選ぶといっても一概には言えないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。冒頭での説明のとおり、CMSはサイト全体に関わる基幹システムですので、簡単に変更することができません。従って、どのCMSを利用するかを慎重に選ぶ必要があるわけですが、と同時に、現在の最良の選択が将来においても常に最善の選択とも限りません。ヒアリングを重ねた上で、できるだけ長くお付き合いできるCMSを慎重に選びたいものです。
ルート・シーでは、CMSの選定はもちろん、自社のwebサイトにはどのような課題があるのか?どこから改善するとよいか?といったご相談からサポートさせていただきます。 ぜひお気軽にルート・シーにご相談ください。
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