「UXD」をルート・シーに実装する、「UXD」の学びの場を
こんにちは、プランナーの米田です。皆さん「UXD」という言葉をご存知でしょうか?
「User eXperience Design:ユーザー体験の設計」と呼ばれ、ユーザーの体験を設計する手段の総称を指します。
モノやサービスを利用するユーザーは本質的な欲求(インサイト)があって、そのモノを所有したり、サービスを利用しています。
UXDの調査→分析→設計→評価のステップを経て、私たちルート・シーが制作しているお客さまのwebサイトやwebアプリケーション、webサービスへ活かすため、社内研修としてセミナーとワークショップを実施しました。
社内研修には、情報設計やUXデザインの分野でご活躍中の坂本貴史氏※をお呼びし、セミナーやワークショップにも参加いただきました。
なお、本レポート中「UX」と表記したり「UXD」と表記していますが、表記揺れではありません。
UX(User eXperience) | ユーザーが製品やシステム、サービスの利用を通して得られる体験そのもの |
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UXD(User eXperience Design) | UXを設計(Design)するための手段の総称 |
と、考え方に関する話題を「UX」、手法に関する話題を「UXD」と分けて表記しています。
なぜUXD研修を行うのか
ルート・シーの今期テーマの一つは、外部環境の変化に対して、顕在化している「モノ」ではなく、「コト」提案のための調査、仮説構築力を持つために「UXD(ユーザー体験の設計)を身に着けること」。
「UX」はあくまでも考え方のひとつ、道具のひとつであり「UXの〇〇」と改めて語らなくても、当たり前のように各自の業務のベースに根付き業務が行われ、ルート・シーからお届けする価値・成果物に反映されることが目標です。
その目標を実現させるために東京、大阪の両拠点から、webソリューション提案・実装・運用を扱う部門、BIを扱う部門から営業、プランナー、ディレクター、デザイナー、フロントエンドエンジニアなど27名が参加しました。
どのように行うのか
「UX」を学び、「UXD」を実践するにあたり、実践を通して実務に取り込めるように、
- 考え方:UX(ユーザー体験)
- 手法:UXD(ユーザー体験の設計)、HCD(人間中心設計)など
- ツール:エスノグラフィー調査、ジャーニーマップ など
のそれぞれをセミナー形式で考え方と手法を、実践形式のワークショップでツールをみっちり学んでいきました。
セミナーの内容から
現代の社会環境の中で企業はwebサイトを通して
- USER:誰に
- CONTENT:何を
- CONTEXT:どのように
届けるか、ということを、ルート・シーは営業から企画、制作までさらに運用までをトータルで実行できる体制を持っているわけですから、
- 個々人の入社したタイミング、社歴の違い
- 個々人の出自や目指すキャリアの違い
- 個々人の対応している業務や顧客特性からくる違い
があったとしても、社歴も立場も普段携わっている業務も顧客もバラバラであっても「UXを共通言語・共通意識・拠り所・大義名分」として、みなのルート、根っこであり道筋となるように「ルート・シーにUXDを実装」することが肝要だと感じました。
ワークの内容から
普段私たちと接点の多いお客さまのサイトをお題にして、競合しうるサイト2社のサイトと比較しつつ、
- ユーザー設定
- ターゲットマッピング
- ユーザーインタビュー
- 他社比較
- コンセプト作成
までを実施しました。
まとめたコンセプトはチームごとに発表です。
各チームで設定したユーザーも利用時点・シーンも異なっていたため、導き出されたコンセプトも大きく違いが出て興味深かったです。
まとめ
web業界は業務の規模が大きくなるにつれ分業が当たり前になりました。
様々なメンバーでプロジェクトを進める機会が増えると互いに共通認識できる目標やゴールが大切になります。
プロジェクトの目標になり、ゴールに必要な「ユーザーの本質的な欲求」を引き出しうるのが、今回の社内研修で学んだUXDとなります。
ユーザーの本質的な欲求を満たすことを目標に置きプロジェクトを進め、ユーザーの本質的欲求を満たすサービスやプロダクトを生み出し届けることをゴールとする。
やがてUXの考え方や手法やツールは、どのメンバーにおいても素養や土台といったあたりまえ品質になるよう、これからも社内研修や社内プロジェクトを推進・実施し、全社品質の向上を目指していきたいと思います。
※坂本貴史氏は現在、日産自動車株式会社のUX/UIデザイン部に所属するシニアUXデザイナーです。
著書に『IAシンキング Web制作者・担当者のためのIA思考術』『IA/UXプラクティス モバイル情報アーキテクチャとUXデザイン』があります。